Lesson 2


基本的な発声のメカニズム。


まず、「声」について歌学的?に説明してみたいと思います。
まず、人の身体は通常の管楽器に比べ、 共鳴管部分の長さが非常に短いのです。
共鳴管部分とは、発振部分(声帯)から
大気までの管状の部分を指します。
声帯から唇までの長さは男性でも約17cmで、
そんなに短い管楽器は、めったにありません。
ちなみに17cmの管が共鳴する最低音は
約500Hzですので、音叉より1音高い程度です。
以上のこのことから、人の身体は、
低音を出すようには出来ていないと言えます。


そこで、色々工夫する訳ですが、
まず音の通路は口よりも鼻に抜いたほうが、
共鳴管部分が長くなりますので、
より低い響きを出すことが出来ます。
ベースの歌詞の母音に「ん」が多いのも、
この為であると考えられます。
次に、喉(口腔)を開くことにより、
声帯を下方向に移動させて
口から遠い位置にすれば、
共鳴管部分を太く長くすることができ、
より低音を響かせることが出来ます。


「ん」の発音によって、共鳴管部分が長くなる様子を補足しておきます。
左下の赤い部分よりも、右下の赤い部分のほうが長いことが分かりますよね。