LuggGo!
最優秀賞
2421216 安田愛唯 / 2321176 尾野真緒
制作の趣旨
本サイトは、深刻化するオーバーツーリズムによる混雑の緩和に向けて、外国人観光客の荷物に着目した新しいアプローチを提案するものです。
人気観光地では外国人観光客による混雑が大きな課題となっています。しかし、観光客数そのものを分散させることが難しい場合でも、観光客が持ち運ぶ大きな
荷物を減らすことで、公共交通機関や観光地での混雑を緩和できるのではないかと考えました。そこで注目したのが、空港や駅から宿泊施設へ荷物を配送したり、観光地で預けたりすることで、大きな荷物を持たずに観光できる「手ぶら観光」です。
この取り組みは 2015 年から国土交通省も推進しており、同省の認定を受けた「手ぶら観光カウンター」は全国に約 400 か所存在しています。しかし、 2024 年に近畿運輸局が外国人観光客に行った調査では、手ぶら観光サービスを認知しているものの利用したことがない層が 40%、存在すら知らなかった層は 42%に上り、利用者は 18%にとどまっています。
その背景には、既存のカウンター情報が各事業者のサイトに分散していることに加え、全カウンター情報を網羅したデータが検索性の低い CSV や PDF ファイルでしか提供されていないといった課題があります。
そこで今回制作したのがこの「LuggGo!」です。
本 Web サイトは、外国人観光客における手ぶら観光及び手ぶら観光カウンターの認知度・利用率を向上させ、公共交通機関や観光地の混雑緩和を目指すと同時に、旅行体験の質を高めることを目的としています。
また、本サイトは国土交通省が公開している手ぶら観光カウンター一覧のオープンデータ(CSV 形式)を活用して制作しました。
サイト内では、手ぶら観光や手ぶら観光カウンターに関する紹介に加え、全国各地の手ぶら観光カウンターを一括検索できる機能を搭載しています。
さらに、ユーザーが旅行スケジュールを入力すると、そのスケジュールに最適な手ぶら観光カウンターの利用計画をAIが提案する「AI手ぶら観光プランナー」も実装しました。この機能により、ユーザーは自らカウンターを調べて利用計画を立てる手間を省くことができ、手ぶら観光カウンターの利用促進につながると考えています。
また、本サイトのメインカラーには緑色を採用しました。これには二つの理由があります。一つは、先述したアンケートにおいて、手ぶら観光カウンターの利用に対して「荷物の紛失や破損への不安」を抱える利用者が一定数存在していたため、安心感や信頼感を与えたかったからです。そしてもう一つは、「手ぶら観光」が観光地などの混雑緩和につながるサステナブルな取り組みであることを、視覚的にも表現するためです。
なお、本サイトは今回は日本語版として制作しましたが、想定ユーザーである外国人観光客に向けて、将来的な多言語対応も視野に入れています。
講評
『手ぶら観光』に着目した企画力、そして機能性やデザインなどのUIはもちろん、AIを活用して能動的なサービスへと価値を引き上げていること(UX)など、あらゆる観点において高評価で本コンテストの最優秀賞にふさわしい作品です。作品として「誰の、どんな課題を、どう解決するか」が明確であり、実装までしっかりと形にできている点が素晴らしいです。インバウンド向けとしての機能(対応言語での絞り込みなど)を実装できると良いですね。今後ますますの活躍を期待しています。